~本書の目的~
発電を終えた原子力発電所は原子炉やその他の設備を解体し、跡地は安全かつ適切に管理され、また、原子力発電所の解体にともない発生する廃棄物は、それらの放射能のレベルに応じて適切に処理・処分する必要があります。
これらの廃棄物は区分毎に処理方法が決められており、放射性のレベルが高い廃棄物より、深度300m以深の地中に埋設する地層処分対象の高レベル放射性廃棄物と低レベル放射性廃棄物に分類されます。
また、低レベル放射性廃棄物はその放射能濃度によって更に「中深度処分」、「浅地中(ピット)処分」、「浅地中(トレンチ)処分」に区分して処理・処分します。
本書ではこれらの廃棄物のうち、放射能レベルの極めて低い廃棄物を処理する「浅地中(トレンチ)処分」を対象に、処分場の長期の安定性を効率的に向上させるため、産廃処分場等に多用されている遮水シート等を適用する場合の技術的検討方法を例示することを目的としています。